図書館にて
すっかり体調を崩して落ちてしまっていました。
南国九州でもこの暑さはこたえますね・・
で、歯医者の予約が入っていたので治療を終え、そのまま帰るのも勿体無かったので、
図書館で4時間ほどいて4~5冊読めて楽しかったです。
→体調が悪いと何故が難しい本を読みたくなる私です。
好きなのは民俗学で、今回はきつねはどう化かすかなど昔の説話の話が面白かった。
中でも、綺麗なお嫁さんをもらって子供も生まれて仲良く暮らしていたが、何かに驚いてばっと
正体を現してしまい、もう暮らせないと去ろうとする女房に、旦那さんが
「おまえはこの子の母だろう。毎夜来て添い寝をしてくれ」と言う。
で、「来つ寝」=「きつね」となったそうです。
また以下の1冊は借りてきました。
折口信夫さんと共に小松和彦さんは民俗学では有名で、文体にくせがあるものの興味深い
本が多いです。有名なところで「神隠し」など。
怪異の民俗学(4) 「鬼」
著者:小松和彦
出版社:河出書房新社
【目次】
1 総論(春来る鬼/春来る鬼―秋田にのこる奇習/鬼の誕生 他)
2 鬼の文学史(酒呑童子異聞(抄)/「酒天童子」考/「百鬼夜行」譚 他)
3 鬼の歴史(鬼の子孫の一解釈―宗教社会学的考察/鬼と名楽器をめぐる伝承/弥三郎婆 他)
4 鬼の民俗学(鬼と山人と/山と鬼/鬼と金工 他)
「春来る鬼」という題名にかなり引かれて借りました。
もともと「鬼」に関しては興味深くて、こつこつを調べたりしていました。
「丑」「寅」の方角より来るから牛のような顔で、虎皮のパンツを穿いているとか。
丑寅の方角は、騎馬民族来襲の方角であったり、また陰陽五行説で言う鬼門の思想とも関連
して、その方角には異界に繋がる門があり、そこを鬼が出入りするので魔よけである桃の木
が植えてあるという説があります。
なので、日本昔話で鬼を退治するのは柿太朗でもミカン太朗でもなく、
桃太朗なのであろうという説があります。
このあたりは中国の文献からくるですが、鬼は日本古来のものというより中国から伝来して
きたものという考え方が濃厚です。
と言っても日本では、鬼の語源は「隠れる」という意味の「隠(オン)」という言葉が変化して
「オニ」になったと言われていて、「オニ」とは姿を隠して見えないものとされていたと推測
されています。
日本の文献に「鬼」の字が初めて使われたのは、「出雲風土記七百三十三年」で、鬼も日本
独特の発展を遂げたという説もあるのかもしれない~と思いました。
「赤鬼青鬼」
「こぶとり爺いさん」
など、日本の説話は優しい鬼もいて、怖いけどなんだか愛すべき妖怪のような気がする存在
です。